Domaine ICHI(ドメーヌ・イチ)

Domaine ICHI(ドメーヌ・イチ)は、北海道余市郡仁木町に位置するワイナリーで、2008年に前身となるワイナリーが設立されたのち、2020年に現名称のもとで新たにスタートしました。自社畑を中心にブドウの栽培から醸造までを一貫して行う体制を持ち、冷涼な北海道の気候を生かしたワイン造りが特徴です。栽培では有機JASに基づく有機農法を採用し、化学肥料や除草剤・殺虫剤を極力使わない方法が公式に示されています。

ワイナリーが位置する余市・仁木地域は、北海道でも特に果樹栽培に適した土地として知られ、昼夜の寒暖差と冷涼な気候がブドウの成熟に作用するエリアです。公式情報では土壌や標高の詳細な記載はありませんが、周辺は丘陵地帯が広がり、ワイン用ブドウの栽培に適した環境にあることが確認できます。この自然条件のもとで育ったブドウがワインの香りや酸に影響を与えています。

使用される品種はピノ・ノワール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、ドルンフェルダー、ソーヴィニヨン・ブランなど多岐にわたります。醸造では「何も足さず、何も引かず」という方針のもと、野生酵母を用いた発酵、無濾過・無添加でのワイン造りを実践しています。これにより、ICHIシリーズ、蝦夷泡シリーズ、Natural Xシリーズなど、赤・白・微発泡・オレンジワインと多彩なスタイルのワインが生み出されています。

ワインの印象としては、果実味が素直に表れ、自然な酸と透明感のある味わいを備えている点が特徴的です。特に冷涼地由来の繊細さや伸びやかな酸がワイン全体の味わいを支えており、品種ごとの個性が明確に感じられる造りだと印象づけられます。

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