Domaine Vincent Ricard(ドメーヌ・ヴァンサン・リカール)
Domaine Vincent Ricard は、ロワール地方トゥーレーヌ地区に位置する家族経営のドメーヌで、五代にわたりブドウ栽培とワイン造りを行っています。所有畑は約35ヘクタールにおよび、化学肥料や除草剤の使用を避けるなど、環境に配慮した栽培方法が採られています。こうした取り組みは土壌の健全性を維持し、畑を中心としたワイン造りを重視する姿勢として公式に示されています。
畑はシェール川沿いの丘陵地帯にあり、粘土石灰質土壌が広がる環境に位置しています。この土壌はミネラル感や酸を引き出すことで知られ、トゥーレーヌの冷涼な気候と相まってブドウにフレッシュな表情を与えます。区画の多くは南東向きで、適度な日照と冷涼な夜間の気温差がブドウの成熟に影響する土地であることが確認できます。
栽培される主要品種はソーヴィニヨン・ブランで、白ワインの中心的なラインナップを構成しています。赤ワイン用にはコー(マルベック)やカベルネ・フラン、ガメイなどが植えられ、手摘み収穫と野生酵母による発酵が採用されています。醸造では酸化防止剤を最小限に抑えるなど、自然なアプローチが特徴となっています。
印象としては、白ワインでは柑橘やハーブの香りとともに清涼感のある酸とミネラルが感じられ、赤ワインでは果実味と軽やかなテクスチャーが調和するスタイルがあります。いずれもトゥーレーヌの土地に由来する爽やかさと透明感が感じられるワインだと捉えられます。