雄町三部作「酵母篇」― 同じ雄町、違う酵母 ―
岡山・真庭の老舗酒蔵「辻本店(御前酒)」が挑んだ、少し実験的で、とても贅沢な三本。
酒米はすべて岡山県産・雄町。
仕込みは御前酒の原点でもある菩提もと。
変えたのは、ただひとつ── 酵母 だけ。
同じ米、同じ造りでも、
酵母が違えば、香りも、酸も、余韻も、驚くほど変わる。
この「雄町三部作 酵母篇」は、
日本酒の“中身の違い”を、飲みながら体感できる特別なシリーズです。
このシリーズの面白さ
この三部作の魅力は、「どれが一番おいしいか」を競うものではありません。
- 同じ雄町なのに、なぜこんなに印象が違うのか
- 酵母が香りと味わいをどう作っているのか
- 菩提もと×酵母の相性の違い
そんな造り手の思考と実験の跡を、飲み手がそのまま味わえるところにあります。
日本酒を「飲む」から、
日本酒を「知って楽しむ」へ。
三本それぞれの特徴
御前酒 77 ― リンゴ酸高生産性酵母 ―
青りんごを思わせる、きれいで爽やかな酸。
雄町のふくらみある旨みの中に、
リンゴ酸由来のシャープさが加わり、全体はとても軽快。
菩提もと由来のやさしい酸と合わさることで、
「爽やかだけど、冷たすぎない」絶妙なバランスに仕上がっています。
こんな方に
- 酸のきれいな日本酒が好き
- 白ワイン感覚で楽しみたい
- 食中酒としてすっと飲みたい方
御前酒 5 ― きょうかいレトロ酵母 ―
昭和初期に使われていた酵母を復刻した、少し不思議な一本。
どこか懐かしいバナナのような香りと、
菩提もとらしい乳酸感が重なり、柔らかく丸い印象。
雄町の旨みが一番「日本酒らしく」感じられるのが、この5号です。
こんな方に
- 昔ながらの日本酒が好き
- 旨み重視、派手すぎない味わいが好み
- 燗酒も視野に入れたい方
御前酒 420 ― 岡山県立大学・雄町酵母 ―
雄町の稲穂から分離された、
雄町由来の野生酵母を使った特別な一本。
香りは控えめ。
その分、口に含んだときの穏やかな旨みと、自然な酸がじわっと広がります。
「雄町って、こういうお米だよね」と、
改めて気づかせてくれるような味わい。
こんな方に
- ナチュラルな日本酒が好き
- テロワールや原料の個性に興味がある
- ゆっくり向き合って飲みたい方
飲み比べのすすめ
この三本は、ぜひ同時に開けて飲み比べてほしいシリーズです。
- 香りの立ち方の違い
- 酸の質と広がり
- 余韻の残り方
「酵母が違うだけで、ここまで変わるのか」と、
日本酒の奥行きを感じてもらえるはず。
宮川酒店からのおすすめコメント
雄町好きの方にも、
日本酒に詳しい方にも、
「これは面白い」と言ってもらえる三部作です。
派手さよりも、
造りの違いを静かに楽しむ大人向け。
年末年始の飲み比べや、
日本酒好きな方へのギフトにもおすすめです。