瀬戸酒造店
瀬戸酒造店は、1865年に創業した神奈川県開成町の老舗酒蔵です。一時休蔵期間を経て2018年に醸造を再開し、歴史の継承と現代技術の融合を掲げた酒造りを行っています。仕込み水には丹沢山系の伏流水が用いられ、この清らかな水が酒質の基盤となっています。蔵は小規模ながらも丁寧な手仕事を重視し、地域に根ざした酒造りを続けています。
開成町は箱根外輪山に近く、豊かな山水と穏やかな気候に恵まれた環境にあります。丹沢の伏流水は柔らかい水質を特徴とし、繊細で透明感のある酒質に適した条件を備えています。地域の自然環境に支えられたこの水は、瀬戸酒造店の味わいづくりにおいて重要な要素となっています。
瀬戸酒造店では純米酒を中心に、多彩な銘柄が展開されています。その代表例である「セトイチ」シリーズでは、酒米や酵母、精米歩合を商品ごとに使い分け、個性ある酒質を設計しています。仕込みの温度管理や麹づくりは丁寧に行われ、伝統的手法を基本としながらも現代の技術を取り入れた安定した造りが特徴です。
味わいの印象としては、透明感のある口当たりと、香味が調和した品の良いスタイルが多いと感じられます。甘味・酸味・旨味のバランスが整い、食事にも寄り添いやすい酒質です。銘柄ごとに異なる特徴を持ちながらも、共通して柔らかくきれいな飲み心地が感じられます。